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CGアニメーター向けすぐに使えるメモ56(ポーズの平面感)

海外の映画スタジオでCGアニメーターをやっている若杉です。

ポーズの平面感について

昨日の立体感の話とは逆にあえて立体感を消して、体のパーツを平明的に見せることがあります。なぜ立体感を消すかというと、平面的に見せることで、見やすく分かりやすいデザインのポーズが作れるからです。

CGアニメーター向けすぐに使えるメモ55(ポーズの立体感)

特にクチバシ(アングリーバード)や、鼻が長いキャラクター(スマーフ)は正面から見たときにそれが短縮遠近法(フォーショートニング)によって何なのかわからない場合があります。

MEMO
短縮法(フォアショートニング)とは、物体がカメラの方向に向かった角度で配置される事で、実際の長さより短く見える事を言います。

https://ubisafe.org/explore/foreshortening-clipart-perspective/#gal_post_3142_foreshortening-clipart-perspective-6.jpg

わかすぎ

絵を描く時にも短縮法(フォアショート二ング)の部分があると立体的に描くのは難しいですよね。CGとキャラクターのポーズを作る時も同じ感覚です。

ポーズに平面感を作る時には、右と左でどちらかのサイドを選びます。キャラクターの目線や、見ている人にどっちの方向を見てほしいかなどを考えながら、決めていきます。見ている人にどこを見てほしいかを意図的に決める事を視線誘導と言います。

左のポーズを先ほど説明した通り、短縮法(フォーショート二ング)によって鼻なのかなんなのかこれだけでは分からないですよね。それに対して、右のポーズははっきりとこのキャラクターの鼻というが分かると思います。立体感と同じく、他の角度から見ると形は壊れている場合もありますが、カメラからの見た目を優先する場合はこれで大丈夫です。

口の形のデザインも、あえて平面感を出す時があります。口の形は表情の中でも特に自由度が高い部分です。なので、簡単に複雑すぎる形になってしまいます。そこで、口の形は、なるべく手で描いたようなシンプルな形を目指す場合があります。それによって、キャラクターの感情や、何を話しているのか?唇の動きが読みやすくなります。

また口もクチバシなどと同じように左右でサイドを選ぶ事で更に分かりやすいポーズを目指す事もあります。

わかすぎ

海外のCGアニメーション映画では基本的にプレスコ(アニメーションより先に声の収録がある)なので、セリフに合わせて口や唇の動きを作ります。なので、どんな音を発しているか唇から読み取れる事は大事なポイントになります。

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