こんにちわ、海外でCGアニメーターをやっている若杉(@ryowaks)です。
口の形を魅力的なポーズでしっかりと作りたい
という人の為に、今日は口の形について僕が普段から気をつけているポイントについて書いてみようと思います。口の形は色々なパターンがあったり、しゃべるときに色んな筋肉が複雑に動くので意外と難しいポイントだったりします。複雑とは言え、デザインで言うとなるべくシンプルを心がけることが大事です。
また、魅力的なポーズというと、どういうポーズなのか曖昧になってしまいますが、どういうポーズが魅力的なポーズなのでしょうか?
口の形に限らず、魅力的なポーズというのは、このキャラクターがどういうキャラクターなのか?どういう状況にいるのか?どういう感情なのか?など、アニメーションを伝える上で必要な情報が見た目から伝わってくるポーズというのが、魅力的なポーズです。
①フットボールマウス
まず最初に気をつけて欲しいのは、いわゆるフットボールマウスと呼ばれる口はダメなポーズとしてよく言われるので気をつけましょう。口角がちょうど真ん中の高さにあって、フットボールのような形の口の形のことを言います。この形にしてしまうと不自然に見えてしまいます。
少し口角を下げる・上げるだけでもかなり良くなります。その時の感情や状況などに応じてどちらか選ぶといいと思います。
②唇のカール
口を閉じた時には唇の上下が、ぶつかって潰れて内側に入り込む感じを出すとより柔らかい印象、また唇に力を入れている印象になります。唇を内側に折り曲げるような感じなので、これをカールさせると言います。
③口角の鋭角
口角は口を大きく開けていない限りは、基本的にはなるべく鋭角にしてお くといいです。この時少し奥側に移動すると、頬との奥行きの違いを表現出来て口に立体感が出ます。
④口の形を台形にする
ここからは少しだけ上級者向けの内容です。まずは口の形を作るの時の支点についてお話します。基本的に口の形は台形をイメージして作る事が多いです、動きの支点を左右広角に加えて上、もしくは下の唇に2つ置くイメージです。
理由としては、唇の形は実はよく見るとまっすぐではないので、支点を作らないデザインにすると筋肉の形が感じにくいという理由です。
もちろんこれはキャラクターのデザインによって変わって来る場合も多々あります。眉毛のデザインの記事でも書いたのですが、この唇の形に関しても昔ディズニーでアニメーションスーパーバイザーをやっている人から教えてもらいました。
⑤口の立体感
また、口は斜めのアングルの場合には立体感を誇張する必要がある場合があります。3Dのモデルではありますが、実はそのままの形だと立体感(奥行き)が出ない場合あります。奥側にどういう形を持っていきたいかイメージを持ってポーズを作る事が大事です。
カメラからのアングルの見た目を優先させる為に別のアングルから見たら崩壊している場合もありますが、決まったカメラがある場合には問題ないです。
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