海外の映画スタジオでCGアニメーターをやっている若杉です。今回は、
「慣性の法則」
という中学でならう物理法則について説明していきます。
慣性の法則とは、アニメーションにおいてとても重要な物理の原則のひとつです。 簡単に説明すると、動いているものは動き続けて、止まっているものはその場にとどまり続けようとする力 のことです。これは実はアニメーションのルールの中では、フォロースルーやオーバーラップ、ドラッグ と言ったりします。慣性の法則自体はかなり日常的に体験する場面が多いと思うので、感覚的に理解 している人が多いと思います。
ただ、それをアニメーションに応用する時には、しっかりと理論とルールを理解しておかないと、上手く作ることは出来ません。今回は、簡単な作り方のポイントを書いていこうと思います。
基本的には、”動いているものは動き続けて、止まっているものはその場にとどまり続けようとする力” というルールを表現すればいいわけです。
つまり、 ①動き出し ②止まるところがポイントになるわけです!
ピンクのキャラクターがカートに乗っているアニメーション
例として、ピンクのキャラクターがカートに乗っているとします。 まずはキャラクターはそのままカートと一緒に動きます。
動き続ける動きと、とどまり続ける動き
次に、動いているものは動き続けて、止まっているものはその場にとどまり続けようとする力なので、 その場で止まっている動きと、動き続ける動きのバージョンを作ってみます。
先端部分だけ動きを合わせていく=慣性の表現
今度は、その動きを元にして、この場合は特に先端部分だけ、とどまった場合と動き続けた場合の動きに、 合わせていきます。 この”合わせていく”というのが実はとても大事なポイントになります。カートと同時に加速または減速すると 慣性が働いているように見えません。
ふたつを合わせる
最後に二つを合わせるとこんな感じになります。
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