海外CGアニメーターのわかすぎ(@ryowaks)です。普段はバンクーバーの映画スタジオでハリウッド映画(今まで関わった作品)作ってます。週末はオンラインスクール(アニメーションエイド)でアニメーションを教えてます。
先日こんなツイートをしました。
https://twitter.com/Ryowaks/status/1224860689073876992?
CGでプロを目指すなら、CGアニメーターがコスパがいいですというツイートですね。今日はこのツイートをもう少し詳しく解説していこうと思います。
今CGを勉強するならCGアニメーターがコスパがいい【求人が多いです】
前置きなのですが、僕は普段は海外でCGアニメーターをやっていて、日本に帰るとありがたいことに専門学校や大学に呼んで頂いて講演とかさせてもらえたりするのですが、毎回「CGアニメーター志望」の学生って少ないなと感じます。
志望者が少ないので、CGアニメーター目指さないともったいないって話なのですが、CGアニメーションはこんなに面白い!!というのは、僕が書くとかなり主観的になってしまって今回の記事のテーマとして公平じゃない気がするので、今回はそういう話は無しにしていこうと思います。個人的にアニメーション面白いと思いますが、今回はどんなに面白いのかではなくもっと理屈的にCGアニメーターを目指したほうがいい理由をお話します。
ただ、もしかしたら人によっては、「いやモデリングのほうが面白いから、全然この記事興味ない」って言う人もいると思います。でも個人的にたまに聞くモデリングが好きな理由が、学校で一番最初に習うのがモデリングだからそこでハマったみたいな話なんですね。
モデリングすごい面白そうだし否定する気は100%無いですが、今モデリングを好きだと思ってやっている学生はもしかしたらアニメーションをそもそもちゃんとやったことがない人もいるかも知れないので、もしかしたらやってみたら意外と得意もしくはハマれたみたいな事があるかもしれないです。
実際僕自身も最初からアニメーターを目指そうと思ってCGやったわけではなく、CGで色々とやってみてそれで、「CGアニメーション面白いな」と思って途中からCGアニメーションだけに絞っていきました。
もしアニメーションをやったことがないという人、これからCGの勉強を始めるという人は一度やってみることをおすすめします。やってみたら意外と面白い、得意だったというのは全然あると思います。
少し前置きが長くなったのですが、この記事は、、、
これからCGを勉強しようと思っているけど、どの仕事を目指すか迷っている!
というCGの勉強を始めたばかりの方や学生に向けて書いていきます。
①CGアニメーターは足りてない
どの仕事もそうですが、基本的にプロになるために個人的に大事だと思うのは「スキル×需要と供給」だと思っています。ただ、ほとんどの学生が「スキル」にしか注目していない気がします。
もちろん技術が高いというのはプロとしては必要条件だと思うのでおろそかにはしないでほしいのですが、「需要と供給」も結構大事だと思います。
例えばどんなに自分の「スキル」が高くても、目指している人が多くて競争率が高い仕事は「供給過多」になるのでプロとして仕事を得るのが難しくなると思います。(無理とは言わないです)
逆に人が足りていない仕事は「需要過多」になるので、ある意味引く手数多みたいな状況ですよね。
日本におけるCGアニメーターも仕事もまさにこんな感じです。どこの会社でもCGアニメーターが足りないという話はよく聞きます。そういう意味では今はCGアニメーターは「需要過多」の状態なので、スキルがなくても就職できるとは言わないですが、少なくとも競争率は少し低いと思います。
②CGアニメーターは海外では人気
これは意外と知られていない気がするのですが、海外だとCGアニメーター不足という話はどこでもほぼ聞いたことがありません。というかアニメーターの仕事は海外だとむしろかなり人気の仕事という印象です。
なので、海外のCGアニメーターとしては日本の状況というのはかなりうらやましい状況です。海外で人気がある仕事という事はどういう事かというと、こちらの学校で卒業したばかりの新卒の学生がすぐに仕事を得るのが難しいと言う状況です。
逆に言うと日本でアニメーターとして経験を積めば、将来海外に行く時にも実は意外と現地のアーティストと比較すると経験が豊富だったりとかすることもあり得ます。
またこれはアニメーターだけに限らないのですが、こういう業界では日本のアニメがとても人気で最近はスパイダーバースなど日本のアニメ的表現を使った作品も増えてきています。
なので、今後日本でのアニメの仕事をやったことがあるCGアニメーターは、海外のスタジオからの需要も高まってくると思います。
③CGアニメーターは希少価値が高い
アニメーターの絶対数が少ないと言う事は、それだけアニメーターになれば希少価値が高まると言うことです。
CGアニメーションに関する情報や技術はそこまで出ていなかったり、学ぶ場が少なかったりするのですが、これもやはり逆に一度プロになってしまうと希少価値が高まるので自分のスキルが求められることが多くあると思います。また、希少価値のある自分を売り込むことで給料も高く交渉出来ると思います。
自分のスキルが求められると、いろいろな作品で自分の個性を発揮したり自分の技術を売り込んで深く関われたり、ディレクションする立場になったりと言う可能性が広がってくると思います。
④CGアニメーターは必要な人数が多い
映画のクレジットを見ると気づく人もいると思うのですが、アニメーションの仕事は物量がとても多い仕事なので、1つの作品に対する人数が他の仕事と比べると圧倒的に多いです。
最近のソニーでの映画の仕事は、アニメーターは150人近くなったりするのに対してモデラーは10人規模だったりします。
仕事のタイプが違うので難易度の話をするのは難しいですが、単純に人数だけ見ると明らかにアニメーターの方が人数的に需要があると言うのは明らかだと思います。これはおそらくゲームやアニメの仕事など他の業界でも同じ傾向だと思います。
最後に
日本だと割とジェネラリスト(専門的に一つの仕事をやるのではなく、幅広く他の仕事もやる人)的な仕事が多い印象なので、例えばCGアニメーターとして就職したけど他の仕事もやっているというのは良く聞きます。
そこで、ちょっと裏技的な話になってしまいますが、CGアニメーターとして就職したからと言って他の仕事が出来ない訳ではないし他の仕事もやる可能性も十分あります。
なので、アニメーションだけに専念するのはちょっと微妙だけど絶対にCGでプロとして就職したいという人は、ジェネラリストだけどアニメーションが専門みたいなポジションで狙っていくといいかもしれないです。
今回はこんな感じでこれからCGの勉強を始める学生へ向けて、CGアニメーターはおすすめですよという話しました。
少しでも皆さんのお役に立てたらうれしいです。
読んで頂いてありがとうございました。
わかすぎ
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