今日はCGデザイナーが海外に出て働いてみたほうがいい理由について記事を書いていこうと思います。昨日のこんなツイートの解説という感じです。
https://twitter.com/Ryowaks/status/1230749107444011016?s=20
CGデザイナーが海外に出て働いてみたほうがいい理由
僕は23歳の時にサンフランシスコの美大に進学するために海外に出て、それから現在に至るまでアメリカとカナダと海外でずっと生活をしています。学校にいったり、仕事をし始めたり色々と経験をしてきました。
そして現在はカナダでCGアニメーターとしてこんなハリウッド映画の仕事に関わっています。
今回はそんな僕の経験と日本で働いている方々の話を参考にしながら、今後CGデザイナーとして仕事をしていく上で、、、
- 海外で働くべきかどうか?
- 本当にいいことはあるのか?
- どんないいことがあるのか?
のような質問に答えるような形で記事を書いていこうと思います。
結論から言ってしまうと、僕個人の意見では、「絶対に一回は海外に出るべき」です。それではどうしてそう思うのか、海外で働いたほうがいい3つの理由について解説していきます。
ちなみに先に補足として書いておくと、海外に出た方が良いというのは、必ずしも永住や10年単位の長期での生活をすすめているわけではありません。このあたりの理由も下で触れています。
また今回の記事もCGアニメーターである僕自身の経験からの個人的な意見なので、内容が偏るかもしれないですがご了承ください。
ではさっそくいってみましょう。
1、英語が話せるようになる
個人的にはこれが一番大きいと思います。これからは海外で仕事をすることはもちろんですが、日本で仕事をする上でもグローバル化が進んで英語を話せた方が便利になってくると思います。
もちろん日本にいながらでも英会話の勉強をしたりすることは出来ると思いますが、やはり現地に行って仕事をしだしたりすると、その業界でしか使われないような言い回しやよく使われる表現、専門用語などを毎日耳にすることになるで急速にその業界に特化した英語の力が伸びます。
また、英語が話せるということの大きなメリットがもうひとつあります。それは、僕はアメリカとカナダでしか働いた経験がないのですが、例えばこれから中国やアジアの他の国、ヨーロッパへいくことになっても、外国人を雇うようなグローバルな会社であれば仕事場では英語でコミュニケーションを取ることになるので、「仕事をする」という部分にあたっては英語が出来たら全く意思疎通が出来ないということは無いと思います。
そういう意味では英語というひとつの言語ですが、英語が話せるだけである意味で世界で仕事が出来るパスポートを手にしたような感覚です。
2、可能性が広がる
可能性が広がるというと少し大げさに聞こえるかもしれないですが、海外に出るということは違う文化圏で生活をするということです。大げさにいうと、全く常識が通用しない未知の世界で生活をするということです。
例えば、よく日本では仕事を優先させすぎで、国外ではプライベートの時間や家族の時間を大切にする人が多いみたいな話を聞いた事がある方は多いと思います。
僕個人的にはどちらが悪いとか良いとかでは無く単純に文化の違いだと思っていますが、合う合わないというのは個々であると思います。
ひとつの文化圏の中でずっと生活や仕事をしていると、その中でのルールが「それが当たり前」という風にとらわれがちですが、往々にして、そういうものが他の国や文化の中では「常識外れ」や「おかしい」と思われることもあります。
繰り返しますが、これは良いとか悪いとかでは無く、「違い」だと思っていて、これはぶっちゃけ経験しないとピンとこないと思います。
そして、この記事を読んでくださっている方の中にもCGが好きで勉強していて、これから日本でCGデザイナーになりたい!と思っている学生や社会人の方もいらっしゃると思います。
もちろんほとんどの人は日本の会社でメキメキ力をつけて楽しく充実してやっていけると思いますが、もしかしたら、一定数の人はCGは好きだけど日本の働き方は合わないと感じてしまう人もいるかもしれません。
仕事自体はとても好きなのに、働き方が合わなくてその仕事自体をやめてしまうのはすごいもったいないと思います。
そういう人はぜひ海外に出るという選択肢を持つことによって、諦めなくて済むような、自分の人生の可能性を広げてもらえたら僕もうれしいです。また、そういう理由だけでなく、日本での経験(例えばアニメの仕事の経験など)があるアーティストというのは実は海外では貴重でかなり重宝されるので、そういう意味で活躍の可能性も広げることが出来ると思います。
海外はステップアップやキャリアアップの場所ではなく、単純に違う場所です。違う場所で仕事をすることで多様な文化や仕事環境に触れ、可能性を広げることが出来ると思います。
3、日本の業界への還元
還元というと偉そうですが、外の文化や知識を日本に持ってくるという感じです。
ぶっちゃけ海外で働いたことのある日本人のアーティストのほとんどの方は、最終的に日本に帰っているような気がします。むしろ永住する人の方が珍しいと思います。
実際先輩のアーティストの方々を拝見していると、日本に帰られて、そして日本でスタジオを立ち上げられたり、海外での経験や技術を日本の業界に還元されている方がたくさんいらっしゃいます。
有名な方々ばかりで、皆さん素晴らしい業績と志を持たれていて、ここまでやらないといけないのか、、、と圧倒されてしまうのですが、僕はそこまですごいことをしなくても十分海外での経験は日本の業界に最終的にいろいろな形で還元出来ると思っています。
例えば、1年だけでも海外で生活をした人はやはり英語はまだペラペラではないかもしれないですが、ある程度英語でコミュニケーションを取れたり、また仕事の経験をした人は海外の仕事のやり方や、海外で共有されている技術を多様性という意味で広めたり、貴重な人材になると思っています。
特にここ2〜3年の話をすると、ネットフリックスの日本のアニメ業界への参入や、中国のCGアニメ業界の盛り上がりなどもあるので、海外から日本に来る仕事やアーティストももっともっと増えてくると思います。
そして近い将来には、個々のアーティスト単位で海外の業界のことも広く知っていく必要が出てくると思います。
最後に
最後に、日本で専門学校などに講演に行かせていただくと、だいたい海外に興味があるかどうか聞くのですが、みんな日本のアニメやゲーム業界が好きでCGの勉強を始めた方が多いようで、あまり手が上がりません。
でも個人的に日本の業界が好きであるならなおさら、海外から日本のどういうコンテンツが評価されているのか?日本のどのアニメやゲームが今海外で人気なのか?どういうものが海外で売れているのか?こういうのを感覚として知っている人材もこれからは大事なんじゃないかなと思っています。
僕のCGデザイナーが海外に出て働いてみた方が理由は以上です。海外に行くことだけが正解ではないですが、経験を増やすことは正解だと思っています。そういう意味で海外で働いてみるのはかなり手っ取り早くてコスパもいいと思います。
今回の記事も少しでも参考になっていたらうれしいです、読んで頂いてありがとうございました。
わかすぎ
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